看護師の可能性を広げるために
管理者としてどうするか?

 はじめまして。アイリス株式会社の中村です。このコーナーに企業に勤める看護師が筆を執るのもめずらしいのではと思います。私は新卒でICU 看護師として働いた後、「企業に在籍する立場から医療現場に貢献したい」と思い企業に就職。現在も企業に勤めています。看護管理職の方が私のようなキャリアについてどのように思われるかは、想像することしかできません。ただ、私自身は、学生時代そして臨床で働いていた際に、多くの管理職の方に背中を押していただき、このキャリアにたどり着きました。 
 今日は私が管理職の方に与えていただいた影響をお話させていただき、次回からは私の関わる医療機器業界に、看護師としてどう貢献しているのかをお話したいと思います。 
 私が企業に勤めることに興味を持った最初のきっかけは、学生の頃の病棟実習でした。当時、さまざまな病院・病棟の師長さんとお話させていただいていました。そんな中で、「師長さんは、看護を実践するだけでなく、看護師らのマネジメントもしなくてはいけないのか」と、その仕事の範疇の広さに驚きました。それをきっかけに、学生の立場でしたが看護管理に興味を持ち、卒業論文では病院経営に看護師有資格者が携わることの意義についてまとめ、卒業後は当時看護管理の活動が活発であった聖隷浜松病院へ入職しました。 
 学生の頃から看護管理に興味を持ったのも、その興味を継続して病院で働き始めたのも、その道を応援してくださった大学の先生や学生時代に出会った看護の大先輩方のおかげです。病院勤務から企業勤務に転身する前にも、自身のキャリア展望に肯定的な意見を示していただいた所属部署の師長や看護部長のサポートがあったからこそだと感じています。 
 世の中では副業が解禁となり、私が看護師として病院で働いていた頃よりも、看護師にとって働く場所の自由度が増しているのではないかと思います。そしてこれからの時代、看護師という専門性を多くの場所で発揮したいと思う若手看護師も増えるのでは? と思います。看護管理者の皆さまに、もしそのような声が届いた場合には、まずは話を聞いていただき、その考えの背景にある想いや意欲に耳を傾けていただけたらうれしいです。

中村実穂(なかむら・みほ)
アイリス株式会社。国立大学卒業後、聖隷浜松病院に看護師として入職。その後エムスリーキャリア株式会社で医療機関向けBtoB 事業に従事。2018 年10 月アイリス株式会社入社。現在、臨床開発マネージャーとして従事。

▼出典元 Nursing BUSINESS(ナーシングビジネス)2020月10号
https://store.medica.co.jp/item/130212010
▼Nursing BUSINESS(ナーシングビジネス)トップページ
https://store.medica.co.jp/journal/21.html
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