私と一緒に働くと、きっと看護が楽しいよ!

 早いものでこのコラムも今回が 3 回目、私からのメッセージの最終回となります。執筆にあたり、看護管理者の方たちと情報交換していると、「やっぱり看護管理は楽しそう」とワクワクしてきます。もちろん現職で未来の看護師の成長に関わることも、発見と学びの連続で楽しい毎日です。
 今回は看護管理者の仕事の何が魅力なのかを改めて考えてみました。看護管理を行っていると、毎日いろいろなことが起こり、正直なところ「業務に振り回されている」「多職種との調整がうまくいかない」といった事情で、「先が見えない」と感じることはありませんか。それでもスタッフ(看護師)と一緒に話し合い、よい看護ができた瞬間や、患者から「この病棟でよかった」「よい看護師がいますね」などと伝えられたときには、思わず笑顔がこぼれます。試行錯誤しながらスタッフとともに成長できることは、看護管理者の最大の魅力です。また、面談時に看護師が「次はあの病院で、こんな看護がしたい」「どこに行っても自分なりの看護ができる自信がついた」と笑顔で話してくれることは、看護管理者にしか味わえない魅力ではないでしょうか。
 看護管理の研究で【職場風土】というキーワードがあります。職場風土とは、職場内の雰囲気や、独自の手順・言い回しなどの暗黙のルールのことであり、外部からの影響を受けにくいものです。職場風土になじめないと、【仲間としてつながること(所属感)】や【役に立っていること(貢献感)】の実感を得にくく、それが早期退職の要因になるといわれています。職場風土は個人の感情や看護実践、モチベーションに影響しますので、私たち看護管理者は職場風土を見極め、よい点は伸ばし、気になる点は修正することを心がけたいものです。
 看護師がイキイキと看護を実践するためには、看護職だけでなく多職種を含めた皆を大切にする職場風土とコミュニケーションが重要です。日々、困難なことが起こるかもしれませんが、楽しみながら看護管理と看護実践ができるように歩みたいものです。「私と一緒に働くと、きっと看護が楽しいよ」と、自信をもって伝えられる看護管理者が増えることを応援しています。

森田夏代(もりた・かよ)
東京家政大学 健康科学部看護学科 成人看護学 講師。東京医科大学看護専門学校卒業後、同大学八王子医療センター勤務。看護管理職として複数の病院で経験を積み、2013 年より大学教員として従事。2022 年より現職。

▼出典元 Nursing BUSINESS(ナーシングビジネス)2022月12号
https://store.medica.co.jp/item/130212212
▼Nursing BUSINESS(ナーシングビジネス)トップページ
https://store.medica.co.jp/journal/21.html
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