人生100年時代のキーパーソン 看護の可能性は無限大

 これから看護を取り巻く社会はどうなるのでしょうか?「 人生100年時代」、加えて高齢化が急激に進む日本では、長い療養生活を送る人が増えていくことでしょう。そのような社会において、生活と医療の両面から人を支えられる看護師がキーパーソンになることは必然です。これからの看護師は「やるべきことをこなすだけ」であってはなりません。病態を踏まえ、多様な情報を統合し、判断・対応する力、つまり“采配する力”が求められ、そのためにどうしたらいいのかを皆で考える力が必要となります。そしてその能力を病院内だけでなく、地域全体に役立てることが期待されています。

 今後は多くの仕事がAIやロボットに代替される、そんな時代です。しかし人間関係や対話、ぬくもり……これらは人の仕事として残る、看護においても同様に考えられていました。でも、負けましたね。今や「ロボットのほうが話しかけやすい」という人もいます。ロボットはしっかり相手を見つめてきます。あなたは患者さんと話すときに目をそらしてはいませんか?

 では看護師が行うべき仕事とは何か? 看護師の仕事といえば一般的に、与薬や点滴、注射といった医療処置や介助など療養上の世話と考えられています。もちろんこれらも看護師がルーティンとして行う仕事です。しかし、大切なのはその下にある仕事──患者さんを深刻な谷間に落とさないように見守り、手を打つ仕事です。私はこれを間際手と呼びますが、その原点には「生きる力を引き出す」、目の前の患者さん自身が生きようとする力を引き出すということがあります。そう考えると看護とは、生きる意味を自分がどう考えているのかが反映される職業といえるでしょう。

 看護師は介助の必要な人を援助する専門職です。皆さんはいつも患者さんやその家族など、人のことばかりを考えていますが、「自分もより良く生きる」ということも考えてほしいと思います。そのためにとにかく楽しむこと。嫌なことに疲れたときは一歩引いてみる。それは逃げることではありません。私は迷ったときや苦しいときには、「快」となることを探し、心地よい方向に進んできました。いま看護師として、とにかく楽しみましょう。そして、たくさん失敗して、味のある人生を送ってほしい。看護の「可能性は無限大」です。

坂本 すが(さかもと・すが)

東京医療保健大学副学長・看護学科長。和歌山県龍神村に生まれ、助産師、看護管理者として現場のマネジメントに携わる。2011 年から3 期6 年、日本看護協会会長を務める

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