自分も他人も大切にできる自己表現法を身に付ける! アサーション・トレーニングで生き生き職場づくり

◆あなたのアサーション度はどれくらい?
自分発信の言動と人からの発信への対応から、アサーション度をチェックしてみましょう。日本人の文化的特徴として和を乱すから、自分だけ違う意見を言ってはならない、上司の言うことは絶対だ、などがあります。最近ではかなり見直されつつあるとはいえ、まだまだ昔の価値観が意識の根底に残ることが多いのが現状です。そんななか、これまでの自己主張には、非主張的、攻撃的、アサーティブの3種類が言われていました。ところが、最近になって、主張もしないし攻撃するといったもう一つの非主張的攻撃的といった新しい自己表現の種類が注目されるようになりました。

◆だれのためにもならない非主張的攻撃的自己表現
新たに加わった表現の「非主張的攻撃的自己表現」は、いわゆる面従腹背といった態度とも言えます。会議の席では反論せずに後で文句を言ったり、指示されたけれどやりたくなくて放置したりする人を見たことはありませんか? 議論することが苦手な日本人は、反対意見を言って嫌われることを好みません。しかし、この態度は結局だれのためにもならないということを知っておきましょう。陰で文句を言う嫌な人、指示を無視する卑怯な人と、信頼を失うことにもつながるのです。では、管理職としてはどうすればこのようなだれにとっても不毛な状況を避けることができるでしょうか。

◆物の見方、考え方は人それぞれ
いわゆるレビンの盃に代表される図地反転図のように、人によって見えるものは違うのだと理解することが、アサーションを学ぶうえで大切だと講師は言います。物の見方、考え方は生まれ育った文化や風土の中で身に付けていくものです。しかし、それは変えることもできるし理解することも可能です。数学や物理の問題には正解が存在しますが、それ以外には正解というものがないのではないかと講師は言うのです。違いを認め、理解することで自分の主張をし、人の主張も受け入れることが大切なのです。元日本看護協会会長の坂本すが先生は、「人と違う変人を認めよ」と提唱しています。違う意見に耳を傾けることで、何か新しい発見が生まれるからだと言います。

◆アサーションは大切な人権
ここ10数年の間に、組織のコンプライアンスが徹底されてきたとはいえ、パワハラ、セクハラ、アカハラ……など、ハラスメント事例がまだまだニュースで取り上げられていますし、職場で見かけることも、気づかずそのようにふるまってしまっていることがあるかもしれません。逆に上司が気を使うあまり部下に意見することを恐れてしまう場合もあります。アサーションは、こういう場面にも一役買いそうです。地位や年齢、性別、職業、国籍などがどうであれ、どんな人にもアサーティブに表現する権利があります。逆にアサーティブに対応すれば、パワハラは起こりえず、いろんな意見や主張を納得し受け入れることが可能となるのです。

◆わかりやすいDESC法
どうすればアサーションは実践できるのでしょうか。日本にアサーションを持ち込んだ講師の平木先生は、アサーティブなコミュニケーションを難しく考えないで、と言います。ただ、日ごろ意識し練習しないと急にはできないものであり、その方法を講師自身がわかりやすくまとめました。それがDESC法です。D(describe、描写する)、E(express、表現する・共感する)、S(specify、特定の提案をする)、C(choose,選択する)この4つの要素を使えば、アサーティブ・コミュニケーションが修得できると言います。アサーションは、家庭で子どもや配偶者と、学校で教師や学生と、職場で部下や上司と、など、だれとでもどこでもでき、取り入れたほうがいいコミュニケーションの方法です。

平木 典子(ひらき・のりこ)
臨床心理士・家族心理士・統合的心理療法研究所(IPI)顧問、 日本アサーション協会代表

▼出典元 メディカのセミナーWEB講義
2021年12月発売 自分も他人も大切にできる自己表現法を身に付ける!
アサーション・トレーニングで生き生き職場づくり
https://store.medica.co.jp/item/190122312

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