今、求められているリーダーのタイプとは?

現在、私は講師として医療機関をはじめとした企業向けの「リーダー育成」や「チームビルディング」の研修を行っています。
とくに医療機関の皆さまの中にはコロナ対応で業務が増える今、「チーム運営をどのようにすればいいのか?」と悩まれている方も多くいらっしゃいます。世間ではコロナにより接触が制限され、人と人との距離、そして心の距離までもが離れてしまっているように感じます。また、これまで多くの企業に関わってきましたが、年々求められるリーダー像も変わってきているようです。

これまでは、強いリーダーシップをもってチームを引っ張っていく、支配型リーダーが求められていました。
しかし、そのようなやり方は部下の反発を生み、それが離職につながり、時にハラスメントと訴えられることもあります。また、そこまでいかないとしても「指示待ち」や「受身型」の部下になってしまうことは多々あります。

そこで求められるのが、共感型リーダーです。
共感型リーダーとは、部下に寄り添い、部下の気持ちを理解することができるリーダーです。
支配型リーダーのように指示命令で部下を動かすのではなく、部下と思いを共感し合うことで信頼関係を構築し、部下の心を動かすことができるのです。心が動いてこそ初めて自律的に行動するチームとなっていきます。

私が研修でお伝えしている、共感型リーダーにとっての大切な要素は次の3 つです。
① 部下をじっくりと観察する
(結果といった目に見えるものだけでなく、見えないプロセスや感情も見守り、相手の意見を傾聴する)
② 部下をしっかりと支える
(適切なフィードバックを通し、どうすればうまくいくのか、答えを教えるのではなく、相手の気づきを引き出す)
③ 部下に対し、とことん素直になる
(自身の悩みや弱み、部下への期待などを素直に伝える)

部下の心に寄り添い、決してひとりぼっちにさせないことが大切だと思います。そしてこれまでとは異なり、時には弱みを見せるのも共感型リーダーです。
弱みを見せるのには勇気が必要ですが、その勇気と素直さが、信頼関係と共感を生み出しますので、是非チャレンジしてみてください。

久保美裕(くぼ・よしひろ)
一般社団法人ブレイクスルーバンク 常務理事/絆 代表。成功事例を押し付けるコンサルではなく、各企業の持っている潜在能力を引き出すコーチングをベースに、医療機関、ホテル、流通、飲食チェーンなど業種業態を問わず研修を実施している。

▼出典元 Nursing BUSINESS(ナーシングビジネス)2021月10号
https://store.medica.co.jp/item/130212110
▼Nursing BUSINESS(ナーシングビジネス)トップページ
https://store.medica.co.jp/journal/21.html
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