複雑な勤務管理の基本知識の習得に役立つ
看護管理者が知っておきたい「様式9」

看護部門にとってとりわけ重要な届出書類に「様式9」があります。
「様式9」の要点を押さえ、「適時調査」におけるリスク回避や、質の高い看護実践につなげる一冊を紹介します。

「様式9」を理解する手引き 

診療報酬の仕組みは非常に複雑で、細かな施設基準のもと、「様式9」をはじめとする看護職の勤務管理に関する届け出書類を作成します。同時に労働基準法や就業規則の遵守、看護職員の希望の反映と、職員間の公平性にも気を配らなければなりません。
しかしながら多くの看護管理者は、このような複雑な勤務管理を先輩方の助言と自身の経験を糧に手探りで取り組んでこられたことでしょう。
本書は、「様式9」を突破口にしながら、複雑な勤務管理の基本知識の習得と実践力の向上に役立つ一冊になっています。中でもおすすめしたい点は以下の3 つです。

(1)「様式9」をここまで丁寧に解説した書籍は初めてだと思います。
人数や時間の考え方・計算方法、例外的なケースの紹介など、施設基準管理士®による実務レベルのアドバイスが満載です。
とくに第4 章では、現場でよくある勤務事例をもとにした説明と図解が豊富で、より具体的に理解が深まります。

(2)「様式9」を本書の幹としつつも、施設基準の基礎知識から根拠となる法律、勤務表作成上の留意事項など、勤務管理の根の部分も学べる内容となっています。

(3)私たちが普段から何気なく使用している用語(たとえば「看護職員と看護要員」「専従と専任」「常勤と非常勤」等)について、制度上の定義や使われ方を丁寧に解説している点も見逃せません。
制度・政策にしばしば登場する独特の言い回し(たとえば「みなし○○」等)も解説されており、施設基準や「様式9」の理解を促進する一助になっています。

看護管理者としての活用法

本書が看護管理者に活用されれば、勤務管理の正確性をよりいっそう増すことができ、適時調査への対応の強化にも効果を発揮するのではないかと期待しています。
また、施設基準を満たすための勤務計画表の作成には看護職員の理解が必要との一文があります。看護職員が本書を手に取って知識を深められるよう、ナースステーションや休憩室に置いたり、院内研修のテキストとしてご活用いただくこともおすすめです。

本書で勤務管理の幹と根を学んだら、今度は読者の皆さんがいきいきとした枝葉を生やす番です。
2040年に向けて日本の労働者人口は減少していきます。看護職も他人事ではありません。看護職員が働き続けられる勤務管理に、ぜひ本書をご活用ください。

一般社団法人看護系学会等社会保険連合 事務局長 小野田 舞(おのだ・まい)

島根県内病院で看護師として勤務後、島根大学大学院医学系研究科修士課程、首都大学東京大学院(現:東京都立大学大学院)博士後期課程修了。
看護学博士。島根大学医学部看護学科・助教、東京医科大学医学部看護学科・講師を経て、2018 年より現職。

▼出典元:Nursing BUSINESS 2023年12月号

施設基準を遵守した勤務表を作成するために
看護管理者が知っておきたい「様式9」の基礎講座
すべてのスタッフにわかりやすく伝えられる!


福井トシ子 監修
一般社団法人 日本施設基準管理士協会 編著
メディカ出版 2023年9月刊行
B5判 152頁 3,080円(税込)
ISBN: 978-4-8404-8203-5

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