令和6年度看護系予算 各省庁の動向と看護職への影響

看護管理者は日々多くの業務に目配り・気配りが必要です。
国の施策や看護界を取り巻く状況、日々の働き方や組織づくりに関連した情報など、看護管理者が知っておきたい最新ニュースをご紹介します。

2024(令和6)年度の看護系予算

2024年1月、厚生労働委員会より2024(令和6)年度の厚生労働省、文部科学省、子ども家庭庁の看護系予算案に関する資料が発表されました。
こども家庭庁は、2023年4月1日に設立されたので、看護系予算として事前に発表されるのは2024年度が初めてです。
看護の未来を背負う看護管理者として、この看護系予算から現場の影響を考えることは重要なことです。
本稿ですべてを網羅することが難しいため、新規に設定された予算や、拡充された予算に焦点を当てて取り上げます。

文部科学省

文部科学省では、ポストコロナ時代に必要とされる医療人材の養成に関する予算や、新興感染症時代における看護教育の質向上に関する予算を継続する一方で、医療的ケアが必要な児童の学校に関する予算を増加させました。
また、看護職員の配置に関する予算の増加と、ケア実施体制を拡充するための新規予算が設定されました。

子ども家庭庁

2023年の設立以来、母子保健を中心に活動している子ども家庭庁では、2024年度に新たな予算案が組み込まれました。
これには、妊婦訪問支援事業(0.8億円)、遠方の分娩取扱施設への交通費及び宿泊費を支援する事業(4.7億円)、および特定疾患を持つ妊産婦への妊娠と薬に関する相談支援加算などが含まれます。
出産可能な地域が限られてきている現状に対応し、移動や滞在に関する支援、さらに物理的な距離の問題により相談業務が困難になっていることへの対策が強化されました。
また、2023年から産後ケア事業の予算が拡充されています。日本の低下する出生率に対応するため、助産師、保健師、看護師の新たな活躍が求められています。

厚生労働省

本連載第1回(2024年1月号)では、新規予算請求に基づく未来予測について述べました。
新規予算に大きな変更はなかったため、ここでは拡充された予算に焦点を当てます。特定行為研修の組織定着化支援事業(1.77億円)、災害・感染症対応の看護職員確保事業(0.56億円)、外国人看護師受け入れ支援事業(1.67億円)などが拡充されました()。

●図 令和6年度 看護関係予算案の概要(文献1より一部抜粋)

看護管理者が知るべきポイント

診療科や職場・職種によっては、看護管理者が直接利用できる情報が異なるかもしれませんが、各省庁が看護師に期待していることは、この予算を通じて明らかになったと思います。
間接的には、採用の場面で新たな活躍の場が比較されることが見て取れます。
さらに、外国人とともに働く多様性に富んだ未来が近づいていることもわかります。
このような状況において、管理者としてどのような職場環境を整えるべきか、突然の変化に備えて考えておく必要性が見えてきます。

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本稿では、看護業界における各省庁の動向と、それが私たちの職場にもたらす潜在的な影響について考察しました。
変化は常に挑戦を伴いますが、それは同時に成長と進化の機会でもあります。
私たち看護管理者は、これらの変化を理解し、適応することで、より良いケアを提供し、看護職の未来を形づくる重要な役割を担っています。
次回も引き続き、看護界の最前線で起こる変化と、それが私たちの実務にどのように影響を与えるのかを探求していきます。
看護の未来をともに創造しましょう。

引用・参考文献

1) 厚生労働省.令和6年度 看護関係予算案の概要.https://www. shizuoka-na.jp/sws/share/wysiwyg/download.asp?fn= 120SNKM&tf=archive(2024年2月13日閲覧)
2) 一般社団法人日本男性看護師会HP.令和6年度看護関係予算(厚生労働省医政局).https://nursemen.net/kourou/r6mhlwnurse/(2024年2月13日閲覧)
3) 一般社団法人日本男性看護師会HP.令和6年度看護関係予算(子ども家庭庁).https://nursemen.net/kourou/r6childnurse/(2024年2月13日閲覧)
4) 一般社団法人日本男性看護師会HP.令和6年度看護関係予算(文部科学省).https://nursemen.net/kourou/r6mextnurse/(2024年2月13日閲覧)

坪田康佑(つぼた・こうすけ)

慶應義塾大学看護医療学部卒。Canisius College(米国ニューヨーク州)卒/MBA 取得。無医地区に診療所や訪問看護ステーションを開業し、2019 年全事業売却。国家資格として看護師・保健師・国会議員政策担当秘書など、民間資格ではメディカルコーチ・M&A アドバイザーなどを持つ。
現在は国際医療福祉大学博士課程在籍、看護師図鑑(https://cango.blog/)を運営。

▼出典元:Nursing BUSINESS 2024年4月号
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