は じめまして。私は現在、大学教員として基礎看護教育に従事しています。学生が安心して臨地実習に取り組めるのは、看護管理者の皆さんの理解があってこそと感謝しています。皆さんのおかげで、臨地実習を行う学生は、「将来、こんな看護師になりたい」と目標となる看護師に出会う機会に恵まれるのです。この機会に教員として立ち会えることに喜びを感じています。
私は臨床で看護師として働いていたときに、役割モデルとなる多くの看護管理者に出会いました。その中で多くの先輩看護管理者に背中を押してもらいながら看護管理者として成長し、キャリアを積みました。その経験を積む中で、「将来、師長となる主任や臨床指導者の育成が重要である」と考え、一般企業そして民間病院へと転職。その後、大学院に進学し看護管理学を専攻しました。大学院を修了した現在は、看護基礎教育とともに看護師のキャリアや職場風土について研究を行っています。
看護管理者の皆さんは、看護師（看護スタッフ）からどのような言葉をかけられたときに、「看護管理をやっていてよかった」と、うれしい気持ちになったり、やりがいを感じたりしますか。私はこのコラムをお引き受けした際に、スタッフから「師長さんと一緒に仕事がしたい。一緒に働きたいんです」とか、「師長さんと一緒の病棟だと楽しいです」などと言ってもらったその言葉に、「看護管理者をしていてよかった」と感じたのを思い出しました。
もちろん看護管理者としての経験が浅く、未熟さから失敗したこともたくさんあります。今の私だったら、こう対応したのに……。そう思う出来事も山のようにありますが、後悔しても時間を取り戻すことはできません。今の私にできることは、「看護管理って楽しい、看護管理者でよかった」と仲間である看護管理者や将来の看護管理者が感じられるように、私の経験を理論を用いて振り返り、伝えることではないかと思っています。
森田夏代（もりた・かよ）
東京家政大学 健康科学部看護学科 成人看護学 講師。東京医科大学看護専門学校卒業後、同大学八王子医療センター勤務。看護管理職として複数の病院で経験を積み、2013 年より大学教員として従事。2022 年より現職。
▼出典元 Nursing BUSINESS（ナーシングビジネス）2022月10号 https://store.medica.co.jp/item/130212210
▼Nursing BUSINESS（ナーシングビジネス）トップページ https://store.medica.co.jp/journal/21.html
