新人・後輩指導がグンと楽になる！Z世代ナースのほめ方・しかり方・伝え方

書籍『令和版　教えて！ ホメシカ先生　Z世代ナースのほめ方・しかり方・伝え方』が2024年1月に刊行しました。
本書の著者である野津浩嗣さんに、Z世代ナースとの関わり方と本書の魅力について紹介していただきました。

ホメシカ理論とは？

指導とは振り子のようなもので、ほめるというプラスを与えたならば、叱るというマイナスも与えることが必要です。
このほめると叱るのバランスで人が育ちます。ここから「ホメシカ理論」が生まれました。
本書は、このホメシカ理論にもとづき、ゆとり世代ナースへの関わり方を解説した『教えて！ ホメシカ先生　今どきナースのほめ方・しかり方（2018年刊行）』の改訂版にあたります。
改訂版では、昭和世代・ゆとり世代の指導者に向けてZ世代ナースへの指導や関わり方を解説しています。

これまでの常識は通用しない？Z世代ナースとの関わり方

新人が質問や相談に来ないので、「大丈夫？　悩んでいることはない？」と声をかけたり、距離を縮めようとプライベートな話をしたりして、親近感を与えようとしていませんか。

実は上司・先輩の皆さんがよかれと思ってやっているこの関わり方は、Z世代ナースにとってはあまり効果的ではありません。
Z世代の彼らには、上から目線の指導や古い考え方の押し付けが「過度な管理」と否定的に受け取られてしまうからです。
「ほめて育てるとよい」とよく耳にしますが、「すごいね」「がんばれ」といった表面的な励ましにはあまり効果がなく、「常識」「決まり」「私があなたの歳だったときには……」といった言葉も、彼らにとってはあまり価値のないものなのかもしれません。

指導者の皆さんに必要なのは、Z世代の若者の考え方や価値観を理解して、彼らと一緒に成長することです。
これを読んで、「なんで私たちが若い世代に合わせなければならないの？」と思った方もいるのではないでしょうか。
本書では、この疑問に対する答えをさまざまな切り口から紹介しています。

行動特性診断（BPA）を用いた新人・後輩指導

本書では、「行動特性診断（BPA：behavior pattern analysis）」という診断方法で、仕事における特性別にタイプを分類して、個々のタイプに沿った指導方法や対応事例を紹介しています。
具体的には、ビジネスパーソンの仕事における特性を大きく4つのパターンに分類（ディレクション型、アレンジ型、ロジカル型、バランス型）しています（図1）。
この分類をベースにアプローチできるので、初めて指導する立場になった人でも取り組みやすく、仕事の進め方、部下との関わり方、人材育成における自分の管理パターンなどを知ることができます。

Z世代ナースが求めている理想の職場とは？

ずばり、Z世代が求めているのは、「安心して働ける心理的安全性が高い職場」と「それを提供してくれる上司・先輩」です。

本書では、「ほめる＆叱る」「わかりやすく納得できる指示（伝え方）」「行動特性診断（BPA）」「自分が正しいのか間違っているのかについての的確なフィードバック」など、指導者がこれらを実践するための指導方法や関わり方について、具体的なアドバイスをたくさん書いています。
また、すぐに現場で実践できるよう「指導者と指導対象者の会話例」や「マンガ風イラストで、タイプ別・シーン別のケーススタディ」なども紹介しています（図2）。

読み終わったら、きっと新人や若手の指導における自信と理解が深まっていることでしょう。

▼出典元：Nursing BUSINESS 2024年4月号